No.45 WS:『小児科外来での母乳育児支援』
8月30日~9月1日、福岡で開催された日本外来小児科学会に行って来ました。
今回、母乳関係のシンポジウムやワークショップなど充実したプログラムがあり、実り多いものとなりました。一部ご紹介します。
シンポジウム「母乳育児を通して母親の子育てを応援する」では、
国際認定ラクテーション.コンサルタント(IBCLC)の水井雅子さんが、どのような母乳育児支援をするべきなのか話されました。
支援者向けの内容です。
予防的なヘルスケアに焦点を当て、産前・産後を通して自分でできる対処法を促す
母親の気持ちに寄り添ったサポートを行い、母親が自分で意思決定するように励ます
母親が必要としている情報を提供する
病院・地域それぞれの立場で対応し、適切な情報提供や提案、適切な場への紹介を行う
また、母乳育児技術をマスターすることへのパラダイムシフトとして、
指導ではなく、支援・見守り
母親の感情を受けとめ、良い点を話す
実際的な援助をわかりやすい言葉で伝える
正解は母親の中にある
マザークラス:体感しながら時間を共有するクラス作り
母乳外来 = 乳房マッサージというイメージを持って、受診される方がいらっしゃいますが、
乳房を触れずに問題が解決できることも多いのです。
もう一つ、WSです。
当院は、母乳外来を開設して5年半になります。小児科クリニッに母乳外来があるのは珍しく、
共催者として、「卒乳」、「当院での母乳育児支援」について発表する機会を与えられました。
卒乳までの長いスパンを考えると、小児科外来の役割は大きいと思っています。
なぜなら、乳児健診は子どもの発育・発達をチェックするとともに、
お母さんの子育てを応援する場でもあるからです。
しかし、根拠のない情報提供や、誤った支援方法ではお母さんの混乱につながりかねません。
支援者の知識のリニューアルが求められます。
母乳育児の知識を広げ、施設で何ができるのか考えるきっかけを持ちかえっていただければ、
このWSは成功だったと言えるでしょう。
とみもと小児科クリニック TAKAKO FURUKAWA