No.21 『職場復帰、おっぱいどうする?』
新年度が始まり、二度目の日曜日。 復職されたお母さんとお子さんは、休日をどのように過ごされたでしょうか? 女性が家事/仕事/育児をしながら、妻・嫁・母親・職業人の役割をこなすのは 一苦労ですね。
たしかに、妊娠・出産を経験することによって 「マルチタスク能力」 のUPにつながる でしょう。といえどもこれらすべての役割をひとりでさばくのは至難の業。 仕事内容やその環境、子どもの月齢、周囲からのサポート体制など、皆さんそれぞれだと思いますが、奮闘中のお母さんお一人おひとりに、心からのエールを送ります。
当クリニックの母乳外来では、この時期になると次の二つのご相談が圧倒的に増加します。 「断乳」そして「職場復帰後もできる限り母乳を与えたい」という内容です。
産休/育児休業後の復職を見込んだ上で、出産直後から「哺乳瓶での授乳」を選択される方も少なくありません。あるいは、直接授乳と哺乳瓶での授乳(粉ミルク/搾母乳)を併行される方もいらっしゃいます。 最近では、モーハウスさんのように職場で授乳ができる企業もありますが稀です。(No.18ブログ)
復職後のことに目を向けるならば、預け先となる保育園/託児所などの施設がどのように母乳育児に対応しているのか事前に調査することも欠かせません。
当クリニックが行った「母乳栄養に関するアンケート調査」(2009年/対象者:当クリニック受診児の母親163名)では、保育園からどのような授乳対応を受けましたかという設問に対し <冷凍母乳を哺乳瓶で与える・・・28%>、<母乳に対応していない・・・31%> という結果が出ています。
さらに、母乳育児の一般的なメリットは多くの方がご存知ですが、社会や環境に対するメリット、例えば医療費や家計を節約する/母乳は天然資源ゆえにエコロジ-/仕事の欠勤が減るなど あまり知られていませんね。事業主にとっては、女性の離職率を低下させ優秀な人材の定着という恩恵もあります。
その方に合った最善の方法で、復職後の母乳育児を進めていくのが大切ですね。
「産科退院後に母乳相談をどこですればいいのか困っている」というお母さんの声を時々耳にします。
産科と小児科の間にできるだけ隙間をつくらない支援のあり方が、われわれの課題でもあるのです。
小児科には、3か月健診を待たずに母乳相談に来てもいいんですよ!
仕事をしながら母乳育児をされているお母さん、応援しています (^0_0^)
<おすすめのHP>
http://www.jalc-net.jp/ (日本ラクテーション・コンサルタント協会)
Q&A「仕事と保育園 母乳育児の継続について」
Takako Furukawa とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来