No.37 『母乳育児とむし歯』

私事ですが、最近奥歯を1本失いました。

むし歯や歯周病ではなく、歯が割れていたのです。

無意識に噛みしめる癖が原因だったようです。

くちびるを閉じて歯を離すこと、そして舌を口蓋に拳上させて

鼻呼吸を意識するように言われました。

なるほど、この状態では溜息をついたり、噛みしめることができません。

さらに、口の周りの筋トレをするために「あいうべーbleah体操」まで教わりました。

さて、乳児健診において赤ちゃんの「歯」に関する質問を受けることがあります。

母乳を飲ませているとむし歯になりますか?

おしゃぶり、指しゃぶりは歯並びが悪くなりますか?

「受け口」なので歯医者に行った方がいいですか?

歯ブラシはいつから始めればいいですか?  

歯の色が変色してきたみたい。大丈夫ですか?  など

 当院の乳児健診では、症例によって歯科受診を勧めることもありますが、

むし歯の発生機序や予防法をお伝えし、母乳育児の長期的メリットを最大限

活かした支援を心がけています。しかし、1歳を過ぎると歯科医師や保健所などの

歯科関係者から、むし歯になるから母乳をやめるように言われて、悩んでいる

お母さんは少なくありません。

どのようにすれば、むし歯を予防しながら母乳育児を続けることができるのでしょうか。

母乳育児中に生じやすいむし歯は、上顎乳前歯に好発

補完食を開始後、食物残渣と母乳が混じり、衛生状態が悪いとむし歯になりやすい

夜間の授乳の際、授乳前に歯の表面を拭く

 1日1回はきれいに汚れを落とす。乳臼歯咬合面が出たら歯ブラシ必要

就寝直前は機嫌が悪いので、夕食後に歯ブラシ

   (第3回母乳育児支援を学ぶ東北エリア教室/JALC学習会より参照)

口腔の健康は、むし歯だけでなく、発語、呼吸、咀嚼・嚥下、歯列・咬合に至る

問題にまで深く関連する分野であるといわれています。

冒頭で私の歯科治療をお話しましたが、歯列咬合の安定には舌の拳上が深く関与

しているそうで、母乳を飲んでいる赤ちゃんの口の中はまさにその状態であり、

 さらに鼻呼吸に移行しやすく、口腔周囲筋も発達するわけです。

 むし歯はひとたびなってしまうと治りません。

また、永久歯に生え変わるからとそのままにしておくこともできません。

予防が大切です。ここでも育児の知恵と努力が求められています。

  
  とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来  TAKAKO  FURUKAWA