No.35 『母乳育児を始める前に知っておきたいこと』

今回は、マタニティさんに向けて書こうと思います。

最近、母乳育児が見直され長く続けようとするお母さんが増えてきました

日本小児科学会やWHOでは、生後6カ月までは母乳を、少なくとも12カ月までは補完食と併用し、その後は母子が望むかぎり母乳育児を続けることを推奨しています。それぞれの親子に合った心地よい授乳スタイルで母乳育児を続け、楽しい子育てができることを応援しています。

退院後の「母乳不足感」が母乳育児の継続を阻みます

足りているにもかかわらず、足りていないのではないかという不安や心配です。 以前、「マニュアルが必要!」と泣いたお母さんがいました。困ったときに正しく判断できる情報は必要です。しかし、その通りにならないと、別の不安に変わることもあります。出産準備クラスでは、母乳の利点だけでなく、母乳育児を困難にすることも一緒に学んでおくことが必要です。そして夫や家族と母乳育児について話し合っておくことも大切です。

 

妊娠中にもっと知りたかった母乳と育児についての情報

club 母乳の出るメカニズムについて

club 泣きぐずりが母乳不足かと思った

club 生まれてからこんな感じ、を知りたかった

club 赤ちゃんの習性についてもっと知っていたら不安が少なかったのでは

club 子どもの発達段階の目安になるものを知っておきたかった

「女性が求める妊娠・出産・産後のケアに関する調査」から (平成14年 戸田律子)

 

乳児健診時にお母さん方に同じような質問をしてみると、似た答えが返ってきます。

卒乳まで楽しい母乳育児ができるように、今からできることを始めてみませんか。

 

とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来 TAKAKO FURUKAWA

 

 
  
  
  
  
  
  
  
  

  




No.34 『第6回 あおもり母乳の会 講演会』

 

ゴールデンウイークは、小田和正さんのどーもどーもコンサート♪で盛り上がり、

第一線で活躍されている方のプロ意識に触れて大いに刺激されました。

そして今回も、素敵な女性に出会いました!

 

5月12日(土)青森県観光物産館(アスパム)にて開催

「授乳服とママのメンタルサポート」

モーハウス代表 光畑 由佳さん

 

モーハウスの授乳服については、以前ブログ(No.18)でご紹介させて頂きましたが

今回、「授乳服」というツールがお母さん方のライフスタイルにどのような変化を起こす

のか伺うことができました。「授乳服」にコンセプトを乗せて、形にして、進化させて

いる モーハウスの皆さまに心から敬意を表したいと思います。

 

◆お話の中から~

[子育て=がまん] と捉えているお母さん、結構多い

産むまでは出産のこと、出産後は赤ちゃんのことで頭がいっぱい。

自分のことは後回しになる。

マタニティウエアにお金をかけても、授乳服は一時的だからとがまんしている。

どこでも安心して授乳ができる授乳服があれば、心理的に開放感、自由が得られる

● 外出時だけでなく、自宅でも同居人に気兼ねせず授乳ができる

● おしゃれで授乳しやすい服を一度着てみて、体験してみて!

● 授乳ショー:普段のおっぱい。どこでも快適母乳生活(授乳場面見たことない人へ)

● 最近の研究 / 授乳服は背中に負担がかからないというエビデンスがある

 

社会から母親を、母親も社会を断絶しないツールである

1秒で授乳ができ、肌も露出しない、「気遣いしない、されない授乳スタイル」を提案。

教育/ 高校教科書・家庭科で授乳服が紹介される予定(衣生活)

 

「もう一つの働き方」子連れ出勤

とても静かな職場。いつでも母子が一緒なので、泣き出す前に授乳ができる。

デザインとパターン / 授乳ママによるアイテム開発、実際に授乳して検証している。

 

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授乳服体験に小児科医が

手をあげました

 

 

 

 

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左から宮﨑さん、光畑さん、古川

窓の外は津軽海峡

 

 

 

 

雑感 : 当院において自然に授乳されているお母さんが増えてきました。

小児科ですので、何らかの理由で母乳育児を断念されたお母さんも一緒です。

その中で、「授乳する側のエチケットだから… 」とおっしゃったお母さん。

周りを思いやる、それでいて自然体、何よりも赤ちゃんにやさしいですよね happy01 heart04

 

とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来  TAKAKO FURUKAWA




No.33 『母親同士のピアサポート』

 

10日間のお休みを頂いて、次女と実母のそれぞれの引っ越しを手伝ってきました。

東京はちょうど桜が見ごろで、この写真は神田川沿いの桜 cherryblossom cherryblossom cherryblossom

レトロな風情に思わず足が止まり一枚撮りました。

 

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八戸の桜も楽しみですね。 cherryblossom

 

 

今日の母乳外来には、2組のお母さんがいらっしゃいました。

偶然、高校の同級生だったとか。

お互いエール交換をしながら授乳している様子が印象的でした。

 

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専門的支援はほんの少しだけ。

あとはお母さん同士で悩みを

解決することもあるのです。

 

 

 

● あおもり県南母乳育児支援ネットワーク 定例会 (4月13日開催)

青森県立病院 総合周産期母子医療センター 母性看護専門看護師の八嶋美由紀さんより

「小さい赤ちゃんを生んだ母親への母乳育児支援」について講演して頂きました。

救急搬送の実態、入院中の支援、退院に向けた看護と問題点など具体的なお話を伺い、

お母さんの不安や葛藤、夫や家族との関係、地元でフォローしてくれる医療機関、

地域との連携など問題を抱えていることを知りました。

地域において赤ちゃんとご家族の明るい育児を支援できるように、できることから始めて

努力していきたいと思っています。

 

とみもと小児科クリニック 母乳育児支援外来  TAKAKO FURUKAWA

 

 

 




No.32 『授乳と腱鞘炎』

 

産後の腱鞘炎はお母さんにとって深刻な悩みです。

症状自体の苦痛に加えて育児や日常生活にも支障をきたし、精神的ストレスも重なります。

頑張れば頑張るほど治りが遅くなりますので、早めの対応が大切です。

 

【母乳外来において経験した相談例】

主訴 : うまく吸わせられない、体重が増えない

 

生後4か月の児、完全母乳栄養中。

母親は38歳の初産。産科で教えられた横抱き・C ホールド(乳房をC の字で支える)の姿勢で授乳を続けていました。

産後1か月頃から拇指に痛みを感じ、マッサージと鍼治療では改善せず、最後に整形外科を受診しています。

診断名は、狭窄性腱鞘炎 (ドケルバン病)

治療は湿布と安静。実は、別の治療法(ステロイド注射)についても説明も受けていましたが、薬の副作用を心配して希望されませんでした。

サポーターを装着しながら家事や育児を恐々行い、次第に授乳が苦痛になり、3か月乳児健診時では体重の増え方がよくないといわれ、母乳をやめようか悩んだ末、相談に来られました。

 

小児科医の診察では、児の体重増加は緩やかでしたが、他に異常は認められません。

「児が効果的に飲めているかどうか」、「楽に授乳できる工夫はないか」授乳方法を見直すことにしました。

 

 実際の授乳を見せて頂くと

             
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・「 深く含ませようとするときが辛い」

・「浅飲みをしている」

・「つまめない」

・「クッションの高さが合わない」

問題点を 母親自身が気づいています

 

 

P1020954               

 

 

 

「添い乳」を提案。

実践してみると、なんと

「超~楽ちん」 happy01

 自分に合った方法を見つけました。

 

16日後、予防接種のために来院。母乳育児を継続しており、児の体重増加も順調でした。

 

 

 cat 豆知識 

関節を動かすのが筋肉。骨と筋肉をつなげて筋肉を動かすのが腱です。

腱鞘炎とは腱と腱鞘(刀のさやのようなもの)がこすれ合うことで起きた炎症です。

筋力の弱い人が長時間同じ姿勢や動作を続けていると、腱に負担がかかります。

予防法の一つとして筋力を落とさないこと、妊娠中に授乳姿勢、搾乳、抱っこの仕方などを具体的に学んでおくことも大切なのかもしれません。

腱鞘炎は妊娠期、産後や更年期によく起こり、女性ホルモンの低下が影響していると言われています。

コラーゲン組織が硬くなると美容面では肌の弾力が失われ、シワやたるみの原因になりますが、実は腱もコラーゲン組織から成っているのです。

 

腱鞘炎は予防すること、がんばりすぎないこと、早めの対応が決め手です。手外科専門医に相談しましょう!

 

とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来  TAKAKO FURUKAWA

 

 

 

 




No.31 『パープル・クライング』

 

近年、乳幼児の虐待件数が増加傾向にあり、その死因のトップが 「乳幼児揺さぶられ症候群」(Shaken Baby Syndrome:以下SBS)であることが知られています。  (Reece et al.,2000)        

日本でも、昨年末に乳児の頭部を激しく揺さぶるなどの暴行を加え、多発性急性硬膜下血腫などのため一時重体にさせたとして、両親が逮捕された事件がありました。このようなニュースを聞くたびに、助産師として心が痛みます。

今回、国立成育医療研究センター研究所 成育社会医学研究部部長 藤原武男先生のセミナーを受講し、赤ちゃんの泣き行動を理解するための新しい考え方を学んできました。

 

「乳幼児揺さぶられ症候群」を予防するプログラムのひとつとしてご紹介します。

 SBSは、乳児の「泣き」が引き金になっていることが様々な事例報告、実証研究から明らかになっています。発生時期は、乳児の泣きのピーク時期と重なり、生後2~3か月にピークを迎えます。日本では7~9か月にももう一度ピークがあることが報告されていますが、そのメカニズムについてはわかっていません。また、SBSは有意に救急車を呼んでいることから、故意ではなく、突発的に行ってしまっている可能性が高いと考えられています。赤ちゃんの泣き行動を学び、対応を知っておくことが予防の第一歩です。

 

生後2~3か月における乳児の泣きの特徴を知りましょう

 PURPLEとは(Barr et al. pediatrics ,2009)

乳児の泣き方の特徴を、PURPLE(パープル)という英語の頭文字で表現

「パープルクライング」と呼ぶ理由は、親を悩ます乳児の泣き行動を示す英語の文字にあります

P : PEAK OF CRYING     ピークがある

U : UNEXPECTED        予想できない

R : RESISTS SOOTHING     なだめられない

P : PAIN‐LIKE FACE       痛そうな表情

L : LONG LASTING        長く続く

E : EVENING           夕方

 

 赤ちゃんが泣く理由には、

◆  おなかがすいた  ◆ ねむい  ◆おしっこ・うんちがしたい ◆ さむい・あつい ◆ さみしいよ

さまざまな理由があります。

でも、覚えておいてください。

赤ちゃんは理由もなく泣くこともあるのです。

生後5か月までの間は特によく泣きます。

 

赤ちゃんに泣かれたら、いろいろな方法でなだめてみましょう

club   おなかがすいていたり、眠かったり、おむつが汚れていないかを確かめる

club   赤ちゃんを抱いて歩いたり、歌ったりする

club   お風呂に入れてあげる

club   散歩やドライブに行く

club   抱き寄せてスキンシップする

 

毎回うまくいくわけではありません。

泣く時間が減らせるかもしれませんが、なだめてもいつも効果があるとは限りません。

何か問題があって泣いているのか、医師にいつでも相談できることを忘れないでください

 

泣かれるとイライラするのはなぜでしょうか

carouselpony   思っていたよりもよく泣く

carouselpony   考えていたよりも大変

carouselpony   何をしても泣きやんでくれない

carouselpony   自分は悪い親で、間違ったことをしているような気がする

carouselpony   疲れてしまって、赤ちゃんを世話できていないことに罪悪感を覚える

carouselpony   親として失格だと思う

 

怒りを感じて動揺してもいいのです。

その気持ちにどう対処するのかが大切です。

泣き声からちょっと離れて、自分をいたわってあげてください。

 

必ず覚えておきましょう(泣かれてイライラするときに)

1.赤ちゃんを抱いて、なだめて、歩いて、語りかける

2.我慢しきれなかったらその場を離れてもかまいません

3.決して赤ちゃんを揺さぶったり、暴力を振るったりしないこと

 

揺さぶるとなぜ危険なのでしょうか

親がわが子を揺さぶり、暴力をふるう。第一の理由が泣かれること 

赤ちゃんを揺さぶると、以下につながることもあります

◆ 失明   ◆けいれん  ◆学習障害  ◆身体障害  ◆死亡

 

赤ちゃんを見てくれる全ての人に知ってもらいましょう

bud   パープルクライングについて

bud  正常に泣いても、とてもイライラさせられること

bud 赤ちゃんを揺さぶることの危険性

bud  赤ちゃんを安全な所に寝かせ、ひと息入れてもかまわないこと

bud  我慢しきれなくなったらいつでも連絡してくれてよいこと

 

以上の内容は、National Center on Shaken Baby Syndromeの乳幼児揺さぶられ症候群防止プログラムの冊子より、一部抜粋して紹介しました。詳細は ホームページをご覧ください

http://dontshake.org/

 

 とみもと小児科クリニック 母乳育児支援外来   TAKAKO FURUKAWA (^0_0^)




No.30 『食べる』こと

明けましておめでとうございます。fuji

全国的に穏やかな三が日でしたが、みなさんはいかがお過ごしでしたか。

 母乳外来は今日が仕事始めです。

乳児健診では、生後5か月のAちゃんがおせち料理を食べたそうにしていた話や、               なますに挑戦した1歳児R君のエピソードなど微笑ましく聞かせていただきました。

 heart    heart    heart    heart    heart    heart    heart

赤ちゃんにとっての最初のごちそうは初乳。                                        欲しいときに必要な量だけ飲むという母乳哺育は、“自分で食事を摂る”という行動の第1歩。       そして、母乳を通じて家庭の味になじんでいきます。(味覚)

生後5~6か月になると、母乳以外の食物にも興味を示し、大人の箸の動きを目で追ったり、        皿に手を伸ばしたりする動作が見られるようになります。                                       さまざまなものを口に入れたがるので、親は片時も目が離せませんね。 

一方でお母さんは、栄養面と安全性を考慮した食材で、適切な形状に調理して与えなければならないと考えがちです。時間をかけ一生懸命作ったのに食べてくれない。                                    離乳食作りがストレスの原因になることも少なくありません。

大人が食べるものを調理の途中で取り分けて作ると簡単ですが、調理すること自体を簡略化して総菜や外食で済ませてしまうと、離乳食は別に作る料理になってしまいます。ベビーフードやレンジでチンできるシリコン製調理器具など、便利になものがあります。必要に応じて上手に使えばいいのです。 

ただし、栄養バランスを考える手間は惜しまないでね!                                親にとって良いものは、赤ちゃんにも同じ。                                        おいしく食べて、家族の笑顔をもらいましょう。happy01

 heart    heart    heart    heart    heart      heart    heart

 

 年末の紅白歌合戦で、長淵剛さんの「ひとつ」や、福山雅治さんの「家族になろうよ」♪を聴いて、よかったですね。生きていく上で、大切にしていることや、幸せのものさしは何だろうと考えてしまいました。 “楽しい食卓”もその一つかな…と

私は乳児健診で赤ちゃんがスクスク育っていく様子を見せていただくのが大好きです。            今年は「食べる」ことを一緒に学びながら、お母さん方に寄り添っていきたいと思っています。

よろしくお願いします。

とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来  TAKAKO FURUKAWA  (^0_0^)




No.29 『添い乳』

夜間の授乳で「添い乳」をされたことがありますか?  moon3                                 寒い時期は特に添い寝・添い乳は温かくて、楽ですね。                                 しかし、乳児健診時にお母さん方に伺うと、入院中にやったことがあるけれど、                 うまく吸わせられないから苦手…という声や、一度も試したことがないという声も以外と多いのです。

「寝がえりしたときに小さな赤ちゃんをつぶしてしまいそう・・・」                              「鼻がふさがれて、苦しそう」                                                「乳頭が短くて吸いつけない」                                                「川の字の反対側に上の子が寝ていて、じゃまをするからあぶない」                        「手がしびれて、体勢がつらい」                                                など、その理由を聞かせてくださいました。

外来において実際に「添い乳」をやってみると、口々に「楽だね~」とおっしゃいます。               陥没乳頭や、扁平乳頭の方も例外ではありません。赤ちゃんが大きく口を開けて、乳房に吸いつくことができればうまくいきます。生後2か月で直接授乳ができなかった赤ちゃんが、ポジショニングとラッチオンを見直して上手に哺乳できるようになり、目標だった「添い乳」ができてモチベーションが上がったお母さんもいらっしゃいます。

ちょっとしたコツをマスターすれば、どなたでもうまくいくはずです。

 参考までにご紹介しますね。

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               「添い乳」の具体的方法 

●お母さんと赤ちゃんが向かい合い、横向きに寝て、下になっている方のおっぱいをあげます      

枕は沈みこまず、高さのあるものを準備

上になっている手で赤ちゃんの頭を支え、鼻と乳頭の高さを合わせた位置から吸いつかせるのがコツです ⇒鼻がつぶれません  

うまく吸いつけたら赤ちゃんのお尻を支えてお母さんの体に引きつけます

赤ちゃんの背中は硬めのバスタオルやクッションで支え、頭を少し後ろに反らせてみましょう

口を大きく開けて乳房をしっかり吸着できていますか?「ごっくんごっくん」深くゆっくり飲んでいますか? 

お母さんも腕や足の間にやわらかいクッションをはさんでみましょう。背中をもたせかけるともっと楽です! ここでお父さんの背中が出番 

反対側を飲ませたいときは、赤ちゃんを抱えたまま寝がえってみてください 

お母さんも目を閉じて一休みしましょう。自然に乳首から離れて仰向けに近い寝方に変わっているかもしれません。気が付いたら赤ちゃんを少し離してあげましょう

夜間に母乳分泌に関わるホルモンが分泌されやすいため、母乳分泌量を維持するためにもよい方法であることを付け加えておきます

 

    もし、やってみてうまくいかないときは気軽にご相談くださいね  

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11月末から、母乳育児支援20時間基礎セミナーin八戸に参加しています。

これは、教材として使われた毛糸で編まれた乳房模型。東日本大震災の被災地気仙沼のおっぴさま(曾祖母:方言)の手作りです。

   

名前は “あむあむおっぴ”

そのうちの2つが私の愛用品となり、行動を共にしていくことになりました。

おっぴさまから赤ちゃんへ、あたたかな思いが届きますように heart04

 

 

とみもと小児科クリニック 母乳育児支援外来 TAKAKO FURUKAWA (^0_0^)

 

「あむあむOppi」 お問い合わせ先 

 毛糸のおっぱいプロジェクト                                                           東日本大震災女性支援 in気仙沼    みやぎジョネット

 http://miyagi-jonet.blogspot.com




No.28 『うまく吸わせられない』

「赤ちゃんがうまく吸いつけない」、「吸っても長く続かない」、「嫌がって拒否する」など、このような状態が続くと授乳タイムがだんだん辛くなっていきますね。 weep

出生直後より適切な支援を受けて授乳ができていると、大半はスムーズに母乳育児が開始されます。しかし、直接授乳が十分にできていない状態で退院すれば、継続的な支援が必要とされるでしょう。

早期の支援は産科中心ですので、当院での症例は多くありませんが、いくつか気づいたことをお話します。

 直接授乳を困難にしている要因は何でしょう?                                    授乳の様子を見せていただくと、そこにヒントが隠されていることに気づかされます。赤ちゃん側から、お母さん側から、それ以外の要因(母乳育児を阻害するような慣習)を丁寧に見直していくと、現状に合った修正が必要になってくる場合があります。

 

母と子の双方がリラックスして効率よく授乳ができていますか?

ポジショニング&ラッチオンは月齢が進むと修正が難しくなっていきます。入院中に教えられた授乳姿勢やくわえさせ方が適切であるかどうか、できれば2週間健診や家庭訪問時に確認してもらいましょう。経産婦だから大丈夫と、安心してはいけません。うまく吸わせられないと、つい力が入り構えただけで泣きだす赤ちゃんがいます。頭を抑えつけず、心地よい姿勢で、赤ちゃんのペースに合わせて、ゆったり、焦らず、吸わせるのがポイントです。授乳姿勢もいろいろ試してみましょう。

 

乳頭・乳輪の形態および伸展性

乳頭が扁平または陥没していても、くり返して吸わせているうちに「吸い口」が形成されて、直接授乳が可能になっていきます。最初のうちは十分な量を吸いとることができませんので、補足(搾母乳またはミルク)をしながら、経過をみていきます。乳汁分泌にブレーキがかからないようにセルフケアも大切。搾乳技術は皆さん上達しますよ。

とにかく、諦めないで、できるところからトライしてみることです!

現在、生後4か月のT君は、直接授乳の練習中です。 penguin                                 扁平乳頭のため、ずっと搾母乳を与えていましたが、最近になって吸い始めるようになりました。むずがることも多いそうですが、お母さんはゆったり構えています

 

乳頭混乱

人工乳首(哺乳びん)やおしゃぶりを使用していると、赤ちゃんが乳房を吸わなくなることがあります。入院中からニップルシールド(乳頭保護器)を使用されている方も、できるだけ早く外して直接授乳に切り替えましょう。

赤ちゃんの「空腹のサイン」

「うまく吸わせることができない」というお母さんの多くは、「赤ちゃんが泣いたら飲ませる」という方法をとっているようです。実は赤ちゃんが泣くというのは空腹を訴える最終的な手段といわれています。泣く前にタイミングよく吸わせてみましょう。

視覚障害(全盲)のお母さんより                                               「赤ちゃんが泣いてしまうと様子がわかりにくくなるので、泣く前に吸わせているのよ」と、15年前に教わりました。

 

    児の空腹のサイン    (出典:「母乳育児支援スタンダード」医学書院 より)

*     おっぱいを吸うように口を動かす

*     おっぱいを吸う時のような音をたてる

*     手を口に持っていく

*     素早く目を動かす

*     クーとかハーというような柔らかい声を出す

*     むずかる

 

 母乳外来を開設して4年目になりますが、、乳児健診を待たずに、相談に来られるお母さんが徐々に増えてきました。小児科ですので、例えば、乳児湿疹や鼻詰りの症状で受診されたついでに相談できるという気軽さがあります。さらに、生後2か月から予防接種(ヒブ、肺炎球菌ワクチン)がスタートしたことも要因かもしれません。 はじめての出産、母乳育児をスタートさせたお母さんにとって、退院後のきめ細やかなサポートは必要です。どうぞ気楽に相談してください。

 

 とみもと小児科クリニック 母乳育児支援外来 TAKAKO FURUKAWA  (^0_0^)

 




No.27 『離乳食教室』見学

 木々の紅葉が美しくなってきました。maple

古都、京都の艶やかな紅葉とは趣が異なりますが、東運動公園~霊園内の白樺道もなかなかの風情です。最近メタボ対策として運動と食事の見直しを始めた私ですが、散歩しながら子どもたちに安全で適切な栄養を含んだ補完食についての情報をどのように提供すればよいのか頭をよぎります。

 

補完食についての相談内容

 頻回に母乳を欲しがり、補完食が進まない(生後10か月)

●  どのような姿勢で食べさせたらよいか(生後6か月)

  スプーンを口に入れる角度や食べさせ方がわからない(生後6か月)

  調理の仕方、食べさせ方がわからない(生後4か月)

  飲み込みがうまくいかない(生後6か月)

  毎日のメニューを変えた方がよいか(生後7か月)

  食べムラがある(生後9か月)

  座っていない(生後9か月)

  食べ過ぎが心配。一回量がわからない(生後6か月)

  ベビーフードを上手に使う方法。外出時の工夫について(生後8か月)

  5倍粥をうまく作るコツを教えてほしい(生後6か月)

  味付けやおやつの量がわからない(生後9か月)

  食物アレルギーが心配(生後6か月)

  などが、乳児健診において寄せられます。

 

 前回のブログ(No.25「補完食」)でも少し触れましたが、お母様方の補完食についての情報源は、「雑誌」「離乳食教室」などが多いようです。

 そこで、実際の離乳食教室をのぞいてみようと、苫米地レディースクリニック(八戸市)の離乳食教室を見学させていただきました。

 前期(5~8か月)、後期(9か月~1才6か月)のコースに分かれ、毎月1回手作り離乳食を試食しながら、栄養士がレシピの紹介や個人の相談に応じるという1時間のクラスです。とてもアットホームな環境で子どもたちは楽しそうに食べ始めました。

集中時間は15~20分。 あとは、お母様方の情報交換会。

参加されたお母様方からは

riceball 「家ではこんなに食べないのに、つられて食べる」、

riceball 「他の人の食べさせ方が参考になる」、

riceball 「何回か通ううちに自信がついてきた」  

  という感想が印象的でした。

 

 何を欲しているのか察しながら求めに応じてあげると、子どもは心地よく満足します。

そして、食のマナーはおいしく楽しく心地よい食卓から学んでいくものです。

まずは、お子さんの発育・発達に応じた具体的な進め方を知り、大人も子どもも楽しい

食卓になることが大切ですね。                 

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開業20周年を迎えられたクリニックでは、マタニティークッキング、おやつ教室なども充実していて、お母様方をしっかりサポートしていました。

 

「食」は生き方が出てくるようで・・・ 多少苦手意識がありますが、楽しいですね happy01heart04 

これからも、少しずつ勉強していきたいテーマだと思っています。

今回お会いしたお母様方、苫米地レディースクリニックの皆様ありがとうございました。

 

とみもと小児科クリニック 母乳育児支援外来  TAKAKO FURUKAWA (^0_0^)




No.26 『出前講座』

秋晴れの日 maple

 久しぶりにマタニティー・ヨガに参加しました。

 木の香りと障子越しの柔らかな日差しの中でゆっくりと呼吸をする・・・

 体の硬い私ですが、先生の声に合わせるとスーっと伸びるから不思議です。

「フゥ・・・ン」と喉の奥の方で声を響かせ、

アタマ(特に前頭部)で余分なことを考えないヨガも教えてもらいました。

これは毎日でもやりたい!

しかし、突然やり出すと周りがひくかもしれませんね!?

 

ヨガの後は、『出前講座』

毎月1回、マタニティー・レクチャーを1時間行っています。

今回のテーマは、「妊娠中のギモン」

事前に届けられた質問に対してお話しをさせて頂きました。

 

 初めての妊娠・出産において不安や葛藤が誰にでもあるものですね。

 「上手なお産ってなんだろう?自分はどんなお産をしたいのだろう・・・」

 参加者のお一人は、バースプランを立てながら悶々としていたそうです。

 

話すことで自分の思いが整理され、

必要な情報が得られ、

自分だけじゃない・・・ということに気づいて気持ちが楽になる。

 

仲間意識が芽生え妊婦さん同士、絆が深まることもあります。

助産師として、そういう場面に寄り添うことも大切だと思っています

 

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                                        「はっち」 3階和室にて開催しました

 

終了後には、 

生後3か月になるお子さんを連れたお母さんが逢いに来てくれました。

お子さんの成長ぶりと、ママの近況を伺うことができて、とてもうれしかったです lovely

 

むかし、助産師は地域に根付いていました。

女性のライフサイクルに携わる仕事を生業にした“お産婆さん”

私もご縁があって八戸に住んで40年がたち、

最近になってお産で取り上げた赤ちゃんがお母さんになって小児科クリニックで再会をするという場面が多くなってきました。

うれしい瞬間で、助産師冥利につきます。

これからも、応援していきたいと思っています。

 

 

 とみもと小児科クリニック母乳育児支援外来 TAKAKO FURUKAWA