No.13  『2011年 明けましておめでとうございます』 

皆さん、年末年始をどのように過ごされましたか?fuji

 赤ちゃんにとっては初めてのお正月。家族でのんびりされた方、里帰りをして親戚にお披露目をされた方、それぞれだったと思います。昨年から“トイレの神様”が大ブレイク中ですが、私は赤ちゃんの笑顔には“福の神様”が宿っていると思っているのです。 happy01

 今年も乳児健診&母乳育児支援外来で“福の神様”にお会いできるように精進して参りたいと思いますので、宜しくお願い致します。  (^0_0^)

 

 仕事始めの日、母乳外来(略)には二人のお母さんの予約がありました。お二人とも他県在住の方で、里帰り中でした。それぞれ生後28日目と48日目の赤ちゃんを連れて来院されましたが、  主訴は「母乳不足感」でした。少しご紹介させていただきますね。

Aさん : 「授乳後、寝かせるとすぐに泣き出し、抱っこと授乳を繰り返している状態です。おっぱいが張らずミルクを足したほうがいいですか」 coldsweats02

 Bさん : 「膀胱炎で薬を1週間飲み、母乳を休んでいたら出が悪くなりました。片方の乳首が短くて、赤ちゃんが怒ってしまいます。母乳だけで大丈夫でしょうか」 weep

言葉を話さない赤ちゃんが、何を求めているのかを見極めるのって難しいですよね。お腹一杯飲んで、げっぷも出て、オムツも替えたのに、どうして泣くの?人恋しいの? 抱っこしてほしいの? 泣くには理由があるのでしょうが、こっちも疲れていると余裕がなくなってしまいますね。

 Aさん の赤ちゃんは前日に咳・鼻水で受診されていました。体調が悪かったのかもしれません。いつもと違う環境に敏感になっていたのかもしれません。泣くたびに授乳を繰り返していたので、お腹が少し張っていたのかもしれません。あれこれ想像しても本当のことはわかりませんが、医師の診察をうけ、乳児身体発育曲線に身長と体重を正確にプロットしてもらいました。       しっかり母乳で足りていることがわかり、お母さんは安心した様子でした。  当院を受診する前に、Aさんは出産施設の母乳外来に電話をかけたそうですが、「乳房トラブル」のある患者さん優先で、予約がとれなかったそうです。BFH(Baby friendly Hospital=赤ちゃんにやさしい病院)認定施設でも、きめ細かな対応が難しい実態を知りました。

Bさん の赤ちゃんは、体重が36g/日としっかり増えており、お母さんの射乳反射もいい状態でした。あとは、ポジショニング&ラッチオンを修正して、効率よく授乳できるように練習をするだけでした。あぐあぐ・ごっくんごっくんと上手に深くくわえて飲んでいる赤ちゃんをみて、お母さんは少し自信がついたようでした。授乳中の服薬は、ごく微量の成分が母乳中に分泌されますが、特殊な薬以外はほとんど赤ちゃんに影響を与えないといわれています。内服中、赤ちゃんの様子を観察することは大切ですが、授乳を中止する必要がない場合が多いです。授乳直後や赤ちゃんがぐっすり眠る前に内服するといった飲み方の工夫をすればいいのです。今回Bさんが、母乳を中断してしまった背景には、服薬中の授乳について医師から説明がなかったこと、そのことを聞き忘れて病院に問い合わせた際、「飲まない方がいいでしょう」という看護師の対応がありました。

 

さて、今年はうさぎ年。                                                                                        お母さん方が安心して母乳育児を継続できるように、しっかり耳を立てて生の声を聞かせていただきます。 そして今年も、フットワークを軽くして学会・学習会等に飛び回りたいと思います。

takako  furukawa   (^0_0^)