乳児健診・予防接種

乳児健診・予防接種


乳児健診・予防接種はクリニック本体から独立した施設で行います。

〇 24時間換気システムにより、感染症の患者さんが多数訪れるクリニック本体と分離されクリーンな環境が保たれます。

〇 一般外来の患者さんと接触することがありません。

〇 広いスペースで赤ちゃんを遊ばせながら発達をチェックすることができます。

〇 乳児健診を将来の疾患予防に重要な場ととらえ、乳児期早期からのチェックを行います。

① 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー予防には乳児期からの丁寧なスキンケアが重要です。

② 胎児期~生後早期の栄養環境が将来の疾病リスクに関係することが危惧されています(DOHaD仮説といいます)。特に小さく生まれたお子さん(small for gestational age:SGA)では、この時期の栄養環境が将来の肥満につながりかねないことが示されています。当院の乳児健診では赤ちゃんの発育を丁寧にチェックして適切な栄養指導を行っています。

③ 母乳栄養は赤ちゃんとお母さんにとっての利点が多いものですが、必ずしもうまくいくとは限りません。また、それにこだわりすぎて逆に問題となるケースもあります。当院の母乳外来ではお母さんと赤ちゃんの立場に立って支援を行っています。

また、残念ながら母乳は栄養的に完ぺきではありません。ビタミンDと鉄不足の問題がありますので赤ちゃんの時期に応じてチェックを行い補充指導を行っています。ビタミンDは母乳栄養を行うすべての赤ちゃんに1歳まで一日400単位を補充することが推奨されます。ビタミンDについては検査は不要です。

〇 視聴覚検査装置

① 聴力検査は多くは新生児スクリーニングとして分娩施設でなされるようになってきてはいますが、全例になされているわけではありません。赤ちゃんの難聴は乳児期に早期発

見できれば、人工内耳手術によりその後の言語獲得が期待できるようになりました。難聴が放置されればその子は「聞く」「話す」ができなくなります。早期発見のために当院では3-4か月で受診し

た児全員に聴力検査を行っています。新生児期にチェックして大丈夫だった児でも、稀ではあるもののその後に難聴が明らかになるケースがあるため、この時期に二重に検査を行います。検査自体は無料で、副作用はなく痛くもかゆくもありません。

② 子どもの視力の発達を考えた時に斜視と弱視が問題となります。斜視は比較的発見されやすいのですが、問題は弱視の早期発見です。弱視のある子どもは少なくとも片方は見えているので生活に不便がなく自分で症状を訴えません。早期発見のために3歳児健診で視力検査を行ってはいますが、この時期には意思疎通がなかなか難しいことがあります。見えないから答えられないのか、見えてても答えてくれないだけなのか、3歳の視力検査は大変です。しかし、目の機能は6歳までにほぼ完成するので、3歳児健診で近視、遠視、乱視などの屈折異常が見逃された場合には将来充分な視力が得られなくなる可能性があります。

2017年より導入したスポットビジョンスクリーナーは、これらの赤ちゃんの目の異常(近視、遠視、乱視、不同視、瞳孔不同)が約1秒で検査できます。暗い部屋で赤ちゃんの注意を引く画像を出してスクリーニングしますので成功率も高く、もちろん赤ちゃんに不快なこともありません。当院では9-10か月検診、1歳児健診で受診された方を対象に印刷代(100円)のみでスクリーニング検査を行っています。