No.14 「らくだの涙」に癒されて

 

こんにちは   snow  

毎日寒いですね。インフルエンザの流行時期でもあり、

一日中赤ちゃんと家で過ごされているお母さんもいらっしゃるかと思います。

 

育児の合間に、一息。

今日は、一本のDVDをご紹介したいと思います。

 

タイトル:「らくだの涙」

モンゴル遊牧民の生活・文化を描いたドキュメンタリー映画です。

らくだの出産。

初産で難産だった母らくだのIngen Temeeは、子らくだのBotokをどうしても受け入れられない。

Botokがおっぱいを飲もうとすると、足蹴りをする。

母親からタッチされないBotokは、どんどん元気がなくなり、

砂嵐の中死んでしまうかもしれない・・・

Botokは搾母乳を与えられ、何度となく接触を試みるが Ingen temeeは頑な態度のまま。

そこで昔からあるフースの儀式(音楽療法)を試みることに。

馬頭琴の音色と歌

らくだの泣き声に似ている・・・

耳に心地よい~ ♪ 心のなかに不思議な感覚が湧いてくるような~ ♪

あれっ Ingen Temee お母さんが泣いている・・・・

そして、はじめての授乳シーン crying

 

心が震えました

  takako furukawa (^0_0^)




No.13  『2011年 明けましておめでとうございます』 

皆さん、年末年始をどのように過ごされましたか?fuji

 赤ちゃんにとっては初めてのお正月。家族でのんびりされた方、里帰りをして親戚にお披露目をされた方、それぞれだったと思います。昨年から“トイレの神様”が大ブレイク中ですが、私は赤ちゃんの笑顔には“福の神様”が宿っていると思っているのです。 happy01

 今年も乳児健診&母乳育児支援外来で“福の神様”にお会いできるように精進して参りたいと思いますので、宜しくお願い致します。  (^0_0^)

 

 仕事始めの日、母乳外来(略)には二人のお母さんの予約がありました。お二人とも他県在住の方で、里帰り中でした。それぞれ生後28日目と48日目の赤ちゃんを連れて来院されましたが、  主訴は「母乳不足感」でした。少しご紹介させていただきますね。

Aさん : 「授乳後、寝かせるとすぐに泣き出し、抱っこと授乳を繰り返している状態です。おっぱいが張らずミルクを足したほうがいいですか」 coldsweats02

 Bさん : 「膀胱炎で薬を1週間飲み、母乳を休んでいたら出が悪くなりました。片方の乳首が短くて、赤ちゃんが怒ってしまいます。母乳だけで大丈夫でしょうか」 weep

言葉を話さない赤ちゃんが、何を求めているのかを見極めるのって難しいですよね。お腹一杯飲んで、げっぷも出て、オムツも替えたのに、どうして泣くの?人恋しいの? 抱っこしてほしいの? 泣くには理由があるのでしょうが、こっちも疲れていると余裕がなくなってしまいますね。

 Aさん の赤ちゃんは前日に咳・鼻水で受診されていました。体調が悪かったのかもしれません。いつもと違う環境に敏感になっていたのかもしれません。泣くたびに授乳を繰り返していたので、お腹が少し張っていたのかもしれません。あれこれ想像しても本当のことはわかりませんが、医師の診察をうけ、乳児身体発育曲線に身長と体重を正確にプロットしてもらいました。       しっかり母乳で足りていることがわかり、お母さんは安心した様子でした。  当院を受診する前に、Aさんは出産施設の母乳外来に電話をかけたそうですが、「乳房トラブル」のある患者さん優先で、予約がとれなかったそうです。BFH(Baby friendly Hospital=赤ちゃんにやさしい病院)認定施設でも、きめ細かな対応が難しい実態を知りました。

Bさん の赤ちゃんは、体重が36g/日としっかり増えており、お母さんの射乳反射もいい状態でした。あとは、ポジショニング&ラッチオンを修正して、効率よく授乳できるように練習をするだけでした。あぐあぐ・ごっくんごっくんと上手に深くくわえて飲んでいる赤ちゃんをみて、お母さんは少し自信がついたようでした。授乳中の服薬は、ごく微量の成分が母乳中に分泌されますが、特殊な薬以外はほとんど赤ちゃんに影響を与えないといわれています。内服中、赤ちゃんの様子を観察することは大切ですが、授乳を中止する必要がない場合が多いです。授乳直後や赤ちゃんがぐっすり眠る前に内服するといった飲み方の工夫をすればいいのです。今回Bさんが、母乳を中断してしまった背景には、服薬中の授乳について医師から説明がなかったこと、そのことを聞き忘れて病院に問い合わせた際、「飲まない方がいいでしょう」という看護師の対応がありました。

 

さて、今年はうさぎ年。                                                                                        お母さん方が安心して母乳育児を継続できるように、しっかり耳を立てて生の声を聞かせていただきます。 そして今年も、フットワークを軽くして学会・学習会等に飛び回りたいと思います。

takako  furukawa   (^0_0^)

 




No.12 「乳がん検診」

平成21年度より女性特有のがん対策が講じられ、八戸市では子宮頚がん・乳がん検診において対象年齢の女性に「がん検診無料クーポン券」が配布されているのをご存知でしたか?

ちなみに

子宮頚がん検診・・・20歳、25歳、30歳、35歳、40歳の女性

乳がん検診・・・40歳、45歳、50歳、55歳、60歳の女性です。

 

私は毎年かかりつけのクリニックで乳がん検診を受けていますが、今年は「クーポン券」を利用させていただきました。(乳がん:八戸市総合健診センター、要予約)

検診内容は触診及びマンモグラフィ検査。超音波検査はやりませんでした。結果は1週間後に郵送されてきました。しかし、石灰化のしこりを経過観察中だった私は、後日クリニックで超音波検査を受けることになりました。検診と検査の違いを考えれば、何らかの症状がある方は最初から専門医にみてもらった方がいいかもしれませんね。

 

 さて、母乳外来ではおっぱいのしこりが“乳がん”ではないかという相談が時々あります。乳腺炎後のしこりが将来“がん化”するのではないかという不安を抱いているお母さんもいらっしゃいます。結論からいうと乳腺炎後のしこりは乳がんとは全く別のもので、大半のしこりは乳汁を除去すると消失します。しかし迷う場合は搾乳の前後で超音波検査を行ない、乳汁うっ滞かどうか判断するようにしています。

11月に八戸超音波懇話会が開催され、八戸市立市民病院 乳腺外科部長の鈴木昭彦先生の「どこまでわかる?乳房超音波検査」特別講演がありました。専門性が高く難しかったですが(^_^;) 終了後、先生のもとに駆け寄り、当院の対応についてアドバイスをしていただきました。ケースによっては、産科・外科・乳腺外科との連携が重要であることも再認識致しました。

 

 今年、ひとりのお母さんが乳がんでお亡くなりになりました。

生後3か月まで混合栄養で、5か月の時に自分でしこりに気づき、受診した時には進行性の乳がんだったそうです。6か月の乳児健診時にお母さんから抗がん剤治療後に手術をすると伺いました。しかし、その後お会いすることは叶いませんでした。

 

我が国の乳がんは近年増加の一途をたどっています。女性が乳がんに気づく症状で最も多いのは、“しこり”(93%)です。乳児健診時に、すでに人工乳に切り替わっているお母さんや、卒乳後のお母さんには「自己検診」や「乳がん検診」をお勧めしています。

 

今年最後のブログになりました。

皆さまにとって新しい年がすばらしい年でありますように!!      takako (^0_0^) 




No.11 『卒乳』 もみんなちがってみんないい

 母乳支援外来を開設して3年半になりますが、卒乳の相談が時々あります。お母さんの職場復帰、夜間の授乳が辛い、乳頭を噛んで痛い、離乳食が進まない、次の子の妊娠、周りの声などが主な理由ですが、今日はその中から3組の親子の「卒乳ドラマ」をご紹介してみたいと思います。

R君(4歳)の場合

 お母さんが最初に相談にみえたのは、R君2歳のお誕生日を迎えた頃です。

夜間に何度もおっぱいをさがしにくるので、お母さんは寝不足で weep さらに「甘えん坊になるよ」という周りの声にも少し敏感になっていました。お母さんはR君に「おっぱいバイバイするよ」と説明して決行しましたが、数日後風邪をひいたR君、あっさり逆戻り。お母さんは悩んだ末「まーいいや、そのうち、ゆっくり」卒乳することに決めました。

 2年が経過し、お母さん2度目の来院です。今度は卒乳後の乳房ケアの相談でした。R君の様子を伺うと、3歳半頃から夜間通して眠るようになり、最近では『お兄ちゃん』という言葉を自ら発し、また『筋肉』を意識して活発に遊んでいると、お母さんはニコニコして話してくれました。happy01 おっぱいを欲しがるときは3秒だけの1・2・3『約束授乳』をし、気がつくと自然卒乳をしていたそうです。  まだ会ったことのないR君ですが、愛おしくなりました。heart04

Kちゃん(2歳)の場合

 Kちゃんが1歳1か月の時、お母さんが切羽詰まったように「今週の金曜日から断乳したい」と相談にみえました。妊娠判明と同時に産婦人科医より断乳を指示され、前回切迫早産で長期入院をしたこともあり、不安感を抱いていました。お母さんはご主人の協力のもと、希望通りに金曜日に決行しましたが、Kちゃんはかえって離れなくなり途中で断念してしまいました。妊娠経過は順調で、健診の結果やKちゃんの様子、お母さんの気持ちを伺いながら、その間もKちゃんに回数を減らしながら授乳を続けました。そしてお母さんは、「無理なくゆっくりやめていく」ことに決めました。

数カ月後、お母さんは元気な赤ちゃんを出産し、3ヶ月健診で再びお会いしました。お母さんの第一声は、『完全母乳です!上の子がずっと飲んでいたので、最初からよく出て育児が楽です。みんなに勧めて下さい』でした。

さてKちゃんですが、赤ちゃんが生まれたその日から、お母さんのおっぱいをスパッと弟くんに譲ったそうです。お見事ですねsign03

Aちゃん(11ヶ月)の場合

 Aちゃんは、2日前に突然歯肉が赤く腫れ、口内炎の治療を別のクリニックで受けていました。  お母さんはAちゃんがぐずるたびに、おっぱいを吸わせていたようで、乳頭亀裂は左右ともざっくり切れ、痛みが強く、安静が必要な状態でした。crying 落ち着くまで、補完食3回と搾母乳を与えることにしましたが、2日目にしこりができてしまいました。当初母乳継続を強く希望していたお母さんでしたが、Aちゃんの様子から、3食しっかり食べているのでこのタイミングで断乳をしてもよいのではないのかと、意向が変わってきました。お母さんの気持ちに葛藤があったことも伝わってきました。最終的にはご夫婦で相談して、外来でAちゃんにおっぱいバイバイすることが伝えられたのでした。

断乳・卒乳をする場合、乳頭・乳房トラブルを改善してから行うのが賢明です。今回は乳汁が抑制されるまで2か月近くかかりました。

その間、Aちゃんは少し体重が減りましたが、食欲もあり、歩きはじめた元気なAちゃんの成長を見守っていくことになりました。

このケースで印象的だったことは、母と子の「断乳・卒乳」に、しっかり向き合っているお父さんの姿がそこにあったことでした。shine

 

 母と子の生活はみんなちがい、子どもの成長も個人差があります。

 卒乳の時期もちがっていいのです。

 十分に甘えの感情を満たし、乳児期の「食育」に繋げてくださいね。

                          Takako Furukawa (^0_0^)

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「日本母乳の会」の書籍紹介

 (定価700円+税)

 

 http://www.bonyu.or.jp




No.10 『マタニティ・ヨーガ & 母乳育児レクチャー』

こんにちは♪ namaste

 今年も『体育の日』は清々しい晴天sunになりました。2000年から「ハッピーマンデー制度」の適用により、10月の第2月曜日となりましたが、個人的には10月10日に愛着を感じていました。                            

なぜかと申しますと、体育会系の私が次女を出産した日なのです。思い起こせば、20年前の『体育の日』も晴天でした。その日は、分娩予定者が3人おりましたが、後から入ってきた私は、自分で頃合いをみて分娩台にあがり、ポカリスウェットをカッカッカと飲んで、「さあ始めます!」と言って産みました。 ” 院内助産院”いいえ”院内自宅分娩”のように (笑)                 しかし、元気に産声をあげてくれた次女ですが、妊娠初期から切迫流早産の危機に瀕し、ダメかもしれない・・と言われ、諦めかけていた時、当時の上司だった婦長に「母親の気持ちは赤ちゃんに伝わるから、しっかりしなさい!」と励まされました。それから、おなかの子と対話しながら、自分の体を信じ、その日を迎えたというわけです。

 前回のブログでも少し触れましたが、おなかの中の赤ちゃんとの”心のタッチケア”は妊娠中から始まっていると捉えています。胎児の五感も発達していることがわかっています。

 マタニティ・ヨーガはおなかの中の赤ちゃんに負担のかからないポーズで、ゆったりとした動きでプログラムされています。呼吸法・リラックス、瞑想のときに「赤ちゃんを感じ、愛おしいと思う」お母さんと赤ちゃんの気持ちをつなげる貴重な時間でもあります。体が冷えている妊婦さんにもおススメです。happy01

  2年前から、ヨーガ・インストラクターの日影美紀さんの依頼で、マタニティ・ヨーガの後に、ショートレクチャーを担当しています。                                  

今回は「母乳育児パワー」について。産科施設で行われる母親学級・両親学級とダブらない内容で、小児科の視点に加えて、卒乳までのセルフケアやトラブル予防法、母乳育児断念3大理由、支援を受けたい時の方法などについてレクチャーしました。

写真は、10月9日(土)に当院健診棟で行ったヨーガの様子です。

 

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 最後に、私を励ましてくれた亡き婦長さんも、10月10日生まれでした。

心から感謝しております。  takako furukawa                          




No.9 「タッチケア」研修会を終えて

                        P1000307                                    

 9月6-7日、八戸保育連合会保育士研修会において、「親子の絆をつなぐタッチケア」というテーマでお話しをさせて頂きました。 初日は大会議室、2日目は和室というシチュエーションで、60施設から1~4名、計100名の保育士さんが参加されました。和気あいあいとした雰囲気を醸し出しながら、実技を含めて、みなさん真剣に耳を傾けてくださり、ありがとうございました。  (^0_0^)

 そして本日、参加された保育士さんから、感想や子どもたちとの触れ合いの様子が書かれた   レポートが届きました。午睡の前にタッチケアをしたら、いつもより早く寝入ってびっくりしたとか \(◎o◎)/!オムツを替える時にタッチケアをしたら、益々可愛く♡♡思えてきたとか、お母さん方からの反響が早速あったなど、それぞれの施設で工夫をしながら保育士さん方が取り組んでいらっしゃる姿と、子どもたちのまったりした表情を想像すると嬉しくなっちゃいました。保護者の方と離れている間にも、保育士さんと温かい触れ合いがあるといいですね。

「タッチケア」の基本は、一方的ではなく相互的な関係で触れ合い、心も体も心地よいこと。大切にされているという体験と記憶は、子どもにとって大切ですよね。言葉を話さない赤ちゃんに対して、お母さんがよく観察して何を欲しているのか見極めながら応じてあげることができれば、快適です。しかし、それまで乳幼児に接する機会がないままお母さんになってしまえば、最初からうまくいくはずがありません。助産師の私も初産の時マタニティーブルーになりましたもの  (T_T)/~~~

「タッチケア」は、親と子のコミュニケーションスキルの一つであり、マタニティー期から知っておくといいですね。

 日本タッチケア研究会 www.touchcare.jp

 

takako furukawa




No.8 第20回日本外来小児科学会に参加して(8月27日~29日、福岡国際会議場)

 

名古屋、大宮、そして今年は福岡毎年この時期に日本外来小児科学会が開催されます。

暑かった!しかし、それまで八戸も十分に暑かったので、体はすんなり適応してくれました。

今年のテーマは「絆」

子どもたちと家族を支援するネットワークの一員として、様々な職種の方との繋がりを再認識することで学会の活動が進化することを期待するという趣旨でした。

昨年、初めて発表の機会を与えられ、テーマ:「母乳育児支援をつなぐ‐小児科クリニックにおける産科退院後の支援の実際-」でポスター発表をしました。さらに、学会誌の「私の経験」欄にも掲載され、自分たちの行っている支援の見直しにもなりました。

今年は、テーマ:「母乳育児支援をつなぐ(第2報)-支援ネットワーク構築-」として、パネル展示で、あおもり県南母乳育児支援ネットワークの会を紹介させていただきました。

母乳育児支援に関する発表は多くはありませんでしたが、小児科でも支援の必要性があるとしっかり伝わってきました。がんばろー (^^)v

昨年、発表を熱心に聞いて下さった○○先生とばったり再会、「ブログ読んでるよ!」と嬉しいお声をかけていただきました。

というわけで、今回は、皆さんにご報告まで。                  学会パネル

                                             
 

 




No.7 第2回「母乳育児講座」開催されました

725日(日)1300~1500 / 当院の乳児健診専用棟において

主催;あおもり県南母乳育児支援ネットワークの会

 

連日の猛暑と突然の豪雨、お天気が心配でしたが、sunお出かけ日和となりました。今回は、告知が遅れたうえに、夏休み最初の日曜日で参加者が少ないのでは?と思っていましたが、遠くは弘前市から赤ちゃんと初めて電車に乗って参加して下さった方もいて、総勢32名(参加者8/パパ同伴6組)にぎやかな講座となりました。

 

テーマ 「パパと一緒にお風呂 何でもしゃべろうPart.2」

 

前半は、冨本院長による「スキンケアの基礎知識」の講義と、同院看護師の「スキンケア沐浴法」のデモストレーションが行われ、後半は、お母さんは座談会お父さんは赤ちゃんの沐浴しました。

 

座談会の様子です。座談会1

授乳の悩み、離乳食、オムツのことなど、お母さん同士が活発に情報交換をしました。沐浴が終わった赤ちゃんには、さっそくおっぱいを飲ませる場面も

 

 

        一方、お父さんは・・・  沐浴1

 

「やったことがないので無理です」と言っていたお父さんも、真剣な眼差しでいつのまにか“イクメン”になっていました!

 

                全体 

参加された皆様、ありがとうございました \(~o~)/  

 

当院では、母乳育児支援の他に、スキンケアについても

看護師スタッフがサポートをさせていただいております。

takako furukawa 




No.6 『搾母乳の管理』

 東北北部も梅雨入りしました。暑かったり肌寒かったりと体調を崩しやすい時期かと思いますが、いかがお過ごしですか。毎年この時期には、冷えから来る身体の悪循環のためか乳房のトラブルも起きやすく、「乳栓のつまり」や「しこり」の相談が多い傾向にあります。ご自身でできる対処法として、<①授乳直前に乳房を温める ②「ポジショニング&ラッチオン」(ブログでも以前扱っています)に気をつけながら授乳する>を是非お試しください。少し意識するだけで、「つまり」や「しこり」がスーッと改善することがありますよ。ただし、このやり方は炎症症状がない場合のみにお勧めします。

さて、今日は【搾母乳の保存方法】についてのおはなしです。

赤ちゃんが母乳を欲しがる時に満足な分を飲ませ、お母さん側もすっきりとするならば、搾乳をする必要はありませんね。しかし、さまざまな理由から赤ちゃんと長時間離れる場合には、事前の搾乳が必要なケースがあります。保育園に冷凍母乳を持参されるお母さんもいらっしゃることでしょう。防腐剤など、もちろん一切含まれない非常にデリケートな母乳。これからの季節、特にその保存には気をつけたいものです。下記の表に示されるように、搾母乳には保存方法によって目安となる<保存期間>があるので覚えておきましょう。

 <健康な乳児に与える場合の保存期間>

保存方法 保存期間
室温(26℃) 4時間
冷蔵庫(4℃:新鮮) 72時間
完全解凍➔冷蔵庫保存(4℃) 24時間
1ドア冷蔵庫冷凍室 2週間
2ドア冷蔵庫冷凍室(-20℃) 3-6ヶ月
クーラーボックス(15℃) 24時間

*これらの保存期間はあくまで「めやす」だと捉えてください。冷蔵庫の開閉や室温によっ て庫内温度が一定に保たれないことを考慮し、出来るだけ早めに使用しましょう。                                  *搾母乳は「食品」として安全に取り扱うよう心がけます。タッパーや、フリーザーバックなどの容 器に入れて保存なさるとよいでしょう。

次は【冷凍母乳の解凍方法及び解凍時の注意点】です。                              

流水、微温湯(44~49℃)で解凍します。母乳由来のリパーゼ成分の働きが低下してしまうおそれがあるため体温以上に温めてはいけません。                                             

自然解凍する場合は、冷蔵庫内で行います。室温での解凍は、細菌数が増えるので避けましょう。                    

熱湯や電子レンジ解凍は、免疫グロブリンA の濃度低下を引き起こすため避けましょう。また、哺乳瓶の上部の温度も高くなり、やけどをさせる危険性があります。                                                   

一度加温した母乳を飲み残した場合でも、再利用はしないようにしましょう。

 <引用・参考文献>                                                   NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会編集、『母乳育児支援スタンダード』 医学書院、2009

 

~初めて母乳育児をされているお母さんへ~

  当院の母乳外来は、乳児健診や予防接種時のほかに、予約制水・金曜日に行っております。どんな疑問点でも些細なことと思わずにご相談ください。

 

 

<第2回 母乳育児講座開催のおしらせ>

        

        日時 : 平成22年7月25日(日) 13:00~15:00

        場所 : とみもと小児科クリニック 乳児健診専用棟

        テーマ:「赤ちゃんのスキンケア&何でもしゃべろう母乳育児 Part.2」

             あおもり県南母乳育児支援ネットワークの会主催

 

        申し込み受け付けは、7月に入ってから改めてお知らせいたします。

 

       

takako  furukawa




No.5 『トッポンチーノ』

 「トッポンチーノ」は イタリア語で「小さな」 という意味。

 生後間もない赤ちゃんをすっぽり包み込めるハンドメイドの小さなおふとんで、「赤ちゃんが落ち着く」 と評判です。 皆さんはご存知でしたか?

 『モンテッソーリの子育て』 という本にも、この「トッポンチーノ」が紹介されています。       (月刊クーヨン 3月号増刊、発行/クレヨンハウス)

大きさは、長さ65㎝×幅40㎝。 素材は、綿・生地・レースすべてがオーガニックコットン。  日本では、福岡在住の岡田洋子さんがワークショップを企画されています。 妊婦さんの口コミで広まっているそうです。

 実は私自身も23年前に長女を出産した際、母が同じようなものを作ってくれました。当時は「トッポンチーノ」ではなく、「純ちゃんまくら」など適当に呼んでいましたが(笑)、とても重宝、そして母の優しさを感じる代物でした。世界的にも各国の関係者の間では、1947年から「新生児の環境に必要なもの」として推奨されていたそうです。赤ちゃんにとっても、“お母さんのにおいがしみ込んでいる、心安らぐ”おふとんかもしれません。

 育児に慣れない頃、理由がわからず泣いている赤ちゃんに戸惑うはず。抱っこしていると眠り、寝かせると泣き出す・・・赤ちゃんをずっと抱っこしていたという経験がありませんか? トッポンチーノをあてたまま寝かせると、安心した表情で眠ってくれる赤ちゃんが多いそうです。思い返してみると、私の子どもの場合もそうでした。上に小さいお子さんがいて、手が足りない(!)という場合にも、トッポンチーノをうまく活用すればお母さんの負担も軽減してくれることでしょう。託児所に「マイ・トッポンチーノ」を持参するのもよいかもしれませんね。

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「トッポンチーノ」の使用は、  出生直後から赤ちゃんがすっぽり収まる2~3ヶ月が目安です。

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 完成品と手作りキットが販売されていますので、妊娠中おなかの赤ちゃんに思いを馳せながら、ママのオリジナルを作るのも楽しいかもしれませんね。おばあちゃんがプレゼントとして準備されるのも、きっと喜ばれることでしょう happy01

オーガニックコットンは、   「夏は涼しく冬温かい」というのが特徴。そしてとても軽い!  詳しく知りたい方は、以下に載せる岡田さんのホームページをご覧ください。

 あいのひ&  岡田洋子                                            サイト  「わたしのトッポンチーノ」  http://www.topponcino.com/                                     ブログ 「わたしのトッポンチーノ」  http://info.topponcino.com/