トイレットトレーニング  

その①-そろそろかな-

とみもと小児科クリニック 冨本 和彦

「トイレットトレーニング」って言うと、いかにもおむつをはずすための「訓練」のように感じます。しかし、あまり強制的に訓練しても逆にうまくいかないのがこの難しいところ。でも、押さえるべきところを押さえておけば意外に問題なく進みます。今回はそのポイントを・・

①   いつからはじめる?

トイレットトレーニングを始める時期は子どもによってかなり違います。しかし、早くやり始めても時間がかかるだけです。生まれたばかりの子が立って歩くことができないのと同じで、トレーニング、つまりおしっこやウンチを我慢するにはそれなりの脳の発達がすすんでなければできない相談なのです。自分で我慢できるようになるには、早くてもおしっこで2歳過ぎ、ウンチで1歳半くらいからです。もちろん個人差がありますから、子どもによって遅い早いといった違いはありますが、おおむねこれ以前の年齢でトレーニングをはじめても、結局時間がかかるだけになります。これまでのレポートでは1歳6ヶ月未満にトレーニングを開始した場合には完了まで全員が10ヶ月以上かかったのに対して、2歳6ヶ月でスタートしたら8割の子が1~2ヶ月以内に完了したといわれています。ですからトレーニングは2歳から2歳6ヶ月で子どもの状態をみて開始するのがいいでしょう。

②   どんなときからはじめる?

トイレットトレーニングを始めるにはいろんな条件がクリアされていなければなりません。まず、トイレに行けなければなりませんから、一人で歩けて、イスに座る、一人で服が脱げることです。また、おむつがぬれていない状態、つまりおしっこの間隔が2-3時間あくことも必要です。

おしっこをがまんしているサインを見ましょう。「前を押さえてモジモジする」「落ち着きがなくなる」「部屋の決まった場所へ行く」「足を閉じてスリスリ合わせる」といったサインが見られれば、がまんができている状態です。

お父さん、お母さんの話が聞けて、トイレに興味を持ってそこがおしっこやウンチをする場所だということがわかっていなければなりません。実際の場面では、子どもがおしっこしたそうな様子を見て

「おしっこしたい?」「うん」

「トイレに行ってみようか?」「うん」という会話が成り立たなければトレーニングになりません。

③   どういう感じですすめる?

トレーニングはお父さん、お母さんによる「訓練」ではありません。あくまでも子どもがトイレでおしっこ・ウンチをしたいと思う気持ちが一番大切になります。

あとは、大人のまねっこ。家庭では、大人や上のきょうだいが、保育園・幼稚園では周りの子がトイレでおしっこ、ウンチをしているのを見せるだけ。子どもは自分も同じようにマネしてトイレでおしっこ・ウンチをしたいと思うようになります。

 

トイレットトレーニング その②

-小さなテクニック-

とみもと小児科クリニック 冨本 和彦

その①でトイレットトレーニングの始め方をお話しました。今日はその②としてトレーニングのすすめ方と小さなテクニックを・・。

①   洋式便器を用いる場合

大人用の便器は怖がることがあるので、子ども用の補助便座を使いましょう。また、水洗のフラッシュ音やウンチが吸い込まれていくのを怖がることがあります。このときには「ウンチ、バイバイね」とお話しして恐怖心をとってあげましょう。

②   「おまる」を用いる場合

どうしても大人の便器を怖がる場合は、「おまる」を使います。おまるはトイレに限らずどこにおいてもいいのですが、まず座ることからはじめましょう。最初は服を着たままで。次に問題なく座るようになったら、服を脱がせて座らせてみましょう。また、オムツにした便をおまるに取って、トイレに流すところを見せておまるの使い方を理解させましょう。

③   子どもをはげます

大人の仕事も子育てもみな同じで、誰でもほめられればうれしいし、おだてられれば、次には「もっとすごいことができちゃうぞ」と思うもの。その意識を育てましょう。

パンツを脱いでトイレに座る、おしっこして、もうひとつがんばってウンチして、水で流して「ウンチ、バイバイね」便座からおりてパンツはいて、手を洗って・・この一連のトイレ動作で目標を細かくつけて、そのひとつひとつをクリアしたときに、ちょっとおおげさにほめてごほうびをあげましょう。ごほうびは記録に残るもの、たとえばカレンダーにシールを貼ったり、木の絵を書いて花のシールを貼って「枯れ木に花を咲かせましょう」とするのが効果的です。また、男の子では小便器に焚き火や射的の的のシールを貼り、そこを狙っておしっこさせるといった遊び感覚を取り入れましょう。

④   これだけはやってはいけない

ウンチ、おしっこを汚いものとしない。失敗したときにお母さん・お父さんが文句を言いながら片づけをすると、子どもはひどく落ち込みます。ウンチ・おしっこが汚い、恥ずかしいことだと思い込み、隠れてしたり、ウンチを教えないことにもなります。

子どものの自尊心を傷つけること、つまり「△△チャンはウンチも一人でトイレでやってるのに」などと他の子と比較したり、「失敗したら○○させないよ」といった脅しは絶対にしてはいけません。また失敗したときにしかるのは逆効果です。長時間がんばって座らせることはせずに、出なければ5-10分程度で早めに切り上げることが大事です。

⑤   便秘は治しましょう

トイレットトレーニングが完了したと思っても、また何かのきっかけでオムツに後戻りするのが4分の1くらいあります。この多くは「便秘」がきっかけになっています。また、便秘があるとなかなかトイレットトレーニングが進みません。便秘は早くに発見し、早めに治しましょう。